休日の午後、私は買い物へ向かう途中でした。道路は混雑しており、信号待ちで車列ができていました。そんな中、バックミラーに映る後方車両に違和感を覚えました。
異常なほど接近している。
嫌な予感がして、少しでも車間を詰めないよう警戒していました。しかし、次の瞬間、その不安は現実のものとなります。
信号が赤のまま、私はブレーキを踏んで停止。ふとバックミラーを見ると、後方の車が――。
減速していない。
ノーブレーキのまま突進してくる!
咄嗟にハンドルを切ろうとしましたが、間に合いませんでした。
衝撃の瞬間
「ドンッ!!」
激しい衝撃が車体を貫き、私はシートごと前へ押し出されました。前方の車列に突っ込み、次々と衝突音が響き渡る。車は完全に制御を失い、もはや自分がどの位置にいるのかすら分からない状態でした。
気づいたときには、すべてが止まっていた。
車内の静寂の中、エンジン音だけが響く。座席は衝撃で倒れ、視界は遮られていました。恐る恐る体を動かしてみると、痛みはない。幸いにも、怪我はしていませんでした。
しかし、周囲を見渡すと、状況の深刻さが一気に理解できました。
10台が絡む大事故
事故の衝撃で、前方にいた数台の車が巻き込まれ、道路は完全に塞がれていました。後ろから突っ込んできた車を確認すると、運転席にいたのはぐったりとした男性。
原因は「居眠り運転」でした。
警察や救急車が次々と到着し、現場は騒然。私は軽傷すらなかったものの、他の車両のドライバーの中には首や腰を痛めた人もいました。幸い、命に関わるような大事故にはならなかったものの、これは10台が絡む大規模な玉突き事故となりました。
事故の余波と教訓
翌日、この事故は新聞にも掲載されました。 その記事には「居眠り運転による多重衝突」と大きく書かれており、改めて事故の規模の大きさを実感しました。
私はこの事故を通じて、**「どれだけ自分が警戒していても、もらい事故は避けられないことがある」**ということを痛感しました。もし少しでも隙間があれば、間一髪で避けられたのかもしれませんが、現実はそう甘くはありませんでした。
運転中の集中力が命を左右する。
たった一瞬の油断が、多くの人を巻き込む結果を招くことを、改めて思い知らされました。
以来、私はバックミラーの確認をより頻繁に行い、特に後方車両の挙動には細心の注意を払うようになりました。そして何よりも、どれだけ疲れていても「運転中に眠気を感じたら、絶対に無理をしない」ことの大切さを、強く実感しています。